中国依存の限界がきた。
アメリカのアップルのワイヤレスイヤホン「Air Pods(エアーポッズ)」のベトナム生産が本格化したことが、8日までに分かりました。
2020年4月〜6月期の出荷量は数百万台と、全体の3割程度に達する見通しです。
従来は中国で全量を生産していましたが、生産の一極集中を回避し、製造拠点の分散を進めています。
新型コロナウイルスの感染拡大で中国依存のリスクが高まったことにも対応します。
「AirPods Pro」は引き続き中国生産
ベトナム生産は、中国の電子機器大手であるラックスシェアとゴーテックが担います。
両社はすでにアップルの有線イヤホンをベトナムで生産しており、その設備をエアーポッズにも活用します。
上位機種の「エアーポッズ プロ」については引き続き中国で生産されるといいます。
生産委託先の分散を加速させる
アップル製品は、大半の生産は中国に頼っています。
米中貿易戦争の激化を受け生産地の分散を探していましたが、米中が1月に貿易協議の「第1段階の合意」に達したため、一時的に分散のペースを緩めていたとされます。
新型コロナウイルスにより中国のサプライチェーン(供給網)が一時的に混乱し、一極集中のリスクが再び浮き彫りになりました。
ある業界関係者は「アップルなど米IT(情報技術)大手は生産委託先の分散を再加速させている」と話します。
ベトナムは労働者の賃金が安く、新型コロナの感染者数も300人弱にとどまります。
中国からの生産の移転先として一段と注目が高まりそうです。
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