今の首都圏の葬儀は、70%以上が家族葬になっており主流になっています。しかし、いざ家族葬を行う場面になってしまうと、何をやっていいのかわからない人が多いです。
いざという時に慌てないためにも、家族葬の流れを解説していきます。
1.家族葬の流れ
1.逝去
医師が死亡を確認し、火葬場の申請や除籍(戸籍の削除)などの手続きに必要な公的書類、死亡診断書を出してもらいます。
死亡診断書を発行の手続きをしている間、看護師からお亡くなりになられた方のお体を綺麗に整えるエンゼルケアを行います。
病院で旅立たれた場合、病衣の場合が多いので、退院用の服を用意しておきましょう。また、入院費の支払い方法についても確認をしましょう。
家族葬をお考えの方は、こ葬儀にお呼びするご親族やご友人にご連絡します。霊安室は地下にあることが多いため、携帯電話が通じにくいことがあります。
訃報の連絡をされた方には、そのことをお伝えしておきましょう。
2.搬送を葬儀社にいらいする
霊安室から故人様を搬送するために葬儀社に連絡します。すぐに移動しなければならないので、その場になって慌てることがないように、葬儀社の電話番号を登録しておきましょう。
お迎えの寝台車が到着したら安置場所を伝えます事前に安置場所を自宅か、自宅以外かを決めておく方良いでしょう。
お迎えの寝台車には1〜2名同乗できます。生前に故人が好きだった場所やもう一度連れて行ってあげたい場所を伝えると、可能なかぎり立ち寄ります。
ご自宅に安置するとき、ご近所に不幸をお知らせしたくないという場合には、深夜や早朝のご帰宅も可能です。その際に葬儀社のスタッフもスーツではない服装でお迎えに伺い寝台車であることがわからない車を用意することができます。
安置施設に安置する場合でも、自宅の前を通ってもらうこともできます。また、故人に一晩ご自宅で家族と過ごして、翌日は、安置施設で休むこともできます。2階以上のマンションへの搬送も可能です。
2.葬儀社との打ち合わせ
深夜、早朝に故人が亡くなった場合は、家族の負担を考え、日時を改めて打ち合わせをします。
打ち合わせの内容は以下の通りです。
- 喪主の決定、死亡診断書の記入
- 日時、場所の決定
- 家族葬の内容を葬儀社と相談して、見積もりを決定する
- 式次第の打ち合わせ
- 親族など家族葬に呼ぶ方への連絡
- 会社関係など家族葬に呼ばない方への連絡
- お通夜当日のスケジュール
- 告別式当日のスケジュール
詳しく解説していきます。
1.喪主の決定、死亡診断書の記入
喪主は家族を代表し、家族葬の日程や内容を決めたり、火葬場などの申し込みなどの責任者です。
喪主は、故人と縁の深い方から決めたほうが良いでしょう。残された配偶者の方、長男、長女の方が喪主になることが多いです。
配偶者の方が高齢の場合は、お名前だけを喪主として、実際の手続きなどは別の方が受け持つこともあります。
2.日時、場所の決定
火葬場の空き状況、家族の都合、会葬者の人数や交通手段、式場、宗教・宗派などを確認していきます。
最近では、ご親族が訃報の連絡を受けてから、急に駆けつけてくる負担を考慮して、お亡くなりになられてから2〜3日後に家族葬を行うことが多くなっています。
3.家族葬の内容を葬儀社と相談して、見積もりを決定する
家族葬の費用は、そうの内容や参列される方の人数によっても違います。見積もりは1円単位まで提示する葬儀社を選び、少しでも疑問に思ったときは、葬儀社のスタッフに確認しましょう。
4.式次第の打ち合わせ
費用以外の家族葬の運営、式次第について打ち合わせをします。
喪主からの挨拶は一般的ですが、最近では孫や、個人と縁の深い方から、挨拶をいただくことも増えています。
5.親族など家族葬に呼ぶ方への連絡
家族葬は、呼ぶ方だけにご案内するのが一般的です。その際、香典・供花を辞退される場合は、電話でその旨を伝えましょう。
最近では、葬儀の案内状をメールやFAXで送ることが一般的です。
6.会社関係など家族葬に呼ばない方への連絡
葬儀に呼ばない方々へ、逝去したことを知らせなくてはいけない事情がある場合、会葬自体の案内状で「故人並びに遺族の意思により、近親者にて家族葬を執り行う」こと。参列を辞退するよう伝えてください。
呼ばない方が親族の場合、あとになってから「どうして自分だけ葬式に呼ばれなかったのか」と言われる可能性もあります。
また、自宅へ弔問に訪れることも考えられます。連絡するかどうか迷ったときは、連絡するのが良いでしょう。
7.お通夜当日のスケジュール
一般的な通夜当日のスケジュールは以下の通りです。
16:30〜
家族が葬儀場に到着。故人へのお参りとご対面したあと、祭壇について打ち合わせをした内容を確認します。
17:00〜
ご親族が葬儀場に到着。家族が挨拶して、個人へのお参りとご対面したあと、通夜が始まるまで、控室で待機します。このとき、アルバムなどの写真があると、親族や友人が故人を偲ぶ時間を持つことができます。
18:00〜18:50
通夜開式。式場に集まり、開式します。まれに、人づてに逝去を知った方が、家族葬ということを知らずに弔問に訪れることがあります。こうした場合は、故人と最後のお別れをしたいという弔問客の想いに遺族は感謝して、ともに故人を偲ぶことがマナーです。
19:00〜20:20
親族など会葬者といっしょに食事をいただきます。通夜の食事はビュッフェ形式が一般的です。新型コロナウイルスの影響から、おもてなしのお食事を振る舞うことをやめて、おもてなしのお食事の代わりに、お食事カタログギフトを渡すケースが増えています。
20:40〜
帰宅。最近は、消防法の関連や体の負担を考えて、葬儀場に宿泊せずに帰宅、もしくはホテルに宿泊することが多くなっています。
8.告別式当日のスケジュール
一般的な告別式当日のスケジュールは以下の通りです。
8:30〜
家族が葬儀場に到着。亡くなられた方へのお参りとご対面したあと、祭壇の形や色など打ち合わせした内容を確認します。
9:00〜
ご親族が葬儀場に到着。家族と挨拶して、故人へのお参りとご対面をしたあと、通夜が始まるまで、控室で待機します。
9:00〜11:00
遠方から会葬する親族のお帰り時間を考えて、初七日は告別式とあわせて行うことが多くなっています。
11:00〜15:00
火葬場へ移動して、遺骨を骨壷に収めるまでの目安の時間です。火葬をしている時間で、食事をとるところもあります。火葬場によって異なります。
15:30〜
解散
16:00〜17:00
自宅にて、遺骨に手をあわせることができるように小型の祭壇を設置します。見積もりから費用が変わった項目を葬儀社の社員が説明して、請求金額を確定。
3.家族葬が終わった後の流れ
1.関係者へのお礼やご挨拶
家族葬儀には、来られなかったが、供花や弔電をいただいた方へのお礼として、挨拶状と3000円〜5000円ほどのお礼の品を送ります。
葬儀に呼ばなかった方々には、後日「葬儀は近親者のみにて執り行った」ことを、報告します。年賀状や住所録をもとに故人や家族の関係者にハガキでお知らせをします。
2.かぞくそうのあとの役所関連の手続き
故人が年金を受給されていた方の場合、年金を受け取る資格が失われるため、ご葬儀から14日以内に年金受給者うしゃ死亡届を提出しましょう。
葬祭補助金や未支給年金の支給申請はご葬儀から2年以内、遺族厚生年金など各種年金の支給申請は5年以内です。葬儀後のお疲れの時に、急いで手続きしなくても問題ありません。
挨拶状や香典返しといったマナー、役所や保険の手続きの優先順位、相続、お墓、供養、遺品整理など、葬儀後の困りごとを解消するため、無料でサポートしてくれる葬儀社を選ぶことで、葬儀後の手続きを進めやすくなります。
3.家族葬の後の四十九日法要、ご納骨
法要や納骨は、もともと家族と親族だけで行うことが多いので、家族葬だからといって特別なことはありません。
菩提寺のある場合は、僧侶の都合を伺い、続いては親族、家族の都合の良い日を選びましょう。
僧侶を呼ばない無宗教葬を行われた家族は、食事会などで旅立たれた方を偲ばれることもあります。
最近は、ご自宅の仏壇の前やお墓の前で、10分〜15分の宗教儀式で法要を終えてしまうことが多いようです。
まとめ
家族葬は親族など関係者へしっかりと配慮することで、家族も親族どの関係者の満足感が高まります。
家族にとって、大切な方のお見送りは、心身ともに大きな負担になります。亡くなられた方とつながりがある方、家族と繋がりがある方々も、気持ちは同じなので、その方々への配慮も大切になります。
家族に悔いが残らず、ご親族にも納得していただける。さらに、葬ぎに呼ばなかった方々にも失礼にならない家族葬にするためには
- 家族葬を決める前に、身内でよく話し合う
- 二日間の家族葬にするのか、一日だけの家族葬にするかを決める
- 家族葬に呼ぶ方を決める
- 葬儀社を決めておく
- 家族葬を知らずに弔問に訪れた弔問客にも感謝して対応する。
- ご葬儀後にお招きしなかった方々へお知らせをする
失礼のないスムーズな葬儀を行いましょう。
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